2015年に創業し、2年後に約200億円で買収された通信ベンチャー「ソラコム」。玉川憲社長は、全員でアイデアを発想し、意見を出し合うための仕組みづくりに熱心だ。そのひとつが「ニックネーム文化」。社員はニックネームで呼び合うため、玉川社長は社員から「ケン」と呼ばれているという。その狙いはなにか。マーケティング戦略コンサルタントの永井孝尚氏が聞いた――。

※本稿は、永井孝尚『売れる仕組みをどう作るか トルネード式仮説検証』(幻冬舎)の第3章「『成長パターン』企業の取り組み」を再編集したものです。

顧客数は8000以上、IoTの立役者

群れから孤立した雌牛は乳の出が悪いそうだ。牧場の乳牛の首輪に、GPSと体温・運動量などのセンサーを取りつけ、リアルタイムに計測することで、牛乳の生産性を改善できる。北海道帯広市のあるスタートアップが始めている取り組みだ。このように、あらゆるモノをインターネットにつなげて新たな価値を生み出す仕組みを、IoT(モノのインターネット化)という。