報告のタイミングを見極める

報告にしても、提案にしても、タイミングは極めて重要だ。カルビーの海外事業本部長の笙(しょう)啓英さんは、提案のタイミングに注意しているという。

「経営者本人の中に、今どこに興味が向いているか、という流れがなんとなくあるんですよ。お、フルグラにいっているな、というときもあれば、あっ今、中国に来た、というときもある。そういうときはコミュニケーション量が増えます。ここは、うまくつかまないといけない」

その意味でも強く意識しているのが、社内の情報に耳をそばだてておく、ということだ。社内ミーティングや経営会議などでの議事録が回ってくることがあり、それは少なくとも必ず見ているというが、ただ見ているだけではない。

「重大事項は、そういうところに全部、載っていますから。でも、それは結果なんですね。重要なことは、そこにはトップの考えがあるということです。その考えがあって、結果が出てきている」

カルビーでは、松本氏が週2回、ブログを発信しているという。日々、考えていることがここからもわかる。経営者の発信するものから、考えを学ぶ。大事なポイントだ。

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ストライプインターナショナルの宣伝部長、中村雅美さんも、社長とのコミュニケーションにあたって、タイミングを強く意識していた1人だ。

「確認するときには、あまりにも早いタイミングで確認してはいけない、ということです。考えが変わってしまいますので。インプットのタイミングを見計らうことは重要です。直前すぎて対応できなかったら、それは自分の首を絞めるので、ある程度の余裕は持ちつつ、早すぎてはいけない。もし早めに確認したほうがいいことがあれば、直前まで何回か、インプットを重ねるんです。忘れないように」

そして確認するときには、やはりシンプルで簡潔を心がける。

「メールで長文を送るなんていうのは、まずないですね。石川も時間がありませんので。ただ、メールでの確認やLINEでの確認は、けっこうあるんです。そこで、偏った情報を渡してしまうと、アウトプットが変わってしまいます。きちんとした情報をより簡潔にどう伝えるか、それは練らないといけないですね」

これはどういうこと? というやりとりが続くのが、社長にとっては一番嫌なことだという。できるだけ一発で理解できるよう、心がけておく。