気持ちを立て直したいときは「気になることを書く」

「認知行動療法は、環境により視野の狭まった認知を変え、そのことにより新たな行動を生み出していく方法です。新しい行動の結果、さらに認知を変えていくこともできます」(同)

大きなプロジェクトを任されて重圧を感じたり、部下のミスで自分を追い詰めたりしているようなときは、以前の成功体験を思い出すと認知が変わって状況が改善することもあるという。

さらに富岡氏は、気持ちを立て直したいときに役立つ方法を次のように教えてくれた。

(1)まず、気になっていることを紙に書き出す。
《仕事でミスをした部下に怒ってしまった》
(2)そのときに感じたことや考えたことを書く。
《部下を傷つけてしまった》
《部下に嫌われてしまうかも》
(3)どのような行動を取ったかも明記する。
《怒鳴った》
(4)これらを俯瞰して冷静に捉え直す。

結果、《管理職は嫌な役目を引き受けて成長していくものだ》といった前向きな気付きを得ることにつながっていく。

富岡氏によると、普段意識せずに使っている言葉も生き方に大きな影響を及ぼすという。

「私たちは言葉ですべてを知覚しています。『苦しい』を『楽しい』に代えることで認知も変わります。適切な言葉を丁寧に使うことで自分を取り巻く世界が変わっていくのです」

▼どんな役職も「立場」と心得、自分とは一体化させない

富岡一幸
マネージングパートナー、ビジネストレーナー
ベスリクリニック勤務。大手IT企業、医療機器卸取締役を経て現職。NLPコーチ資格を有し、人材育成の必要性から企業研修も実施。
 
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