日本の人口が減りつづけている。出生数は2016年に初めて100万人を下回ったが、2065年には約55万人にまで落ち込むという。将来のためにどんな備えが必要なのか。「20年後の日本」を襲う6つの課題について識者に聞いた。第4回のテーマは「年金崩壊」だ――。(全6回)
※本稿は、「プレジデント」(2018年1月1日号)の特集「老後に困るのはどっち?」の掲載記事を再編集したものです。
20年後、年金の積立金は枯渇するのか
2016年に日本の出生数が初めて100万人を切った。少子高齢化が進む日本では、08年から人口が減り始めた。最初は毎年、数万人レベルだったが、17年は30万人ほど減少した。今後は、50万とか100万という単位で人口が少なくなっていく。毎年、仙台市が消え続けるようなものだ。
このまま少子高齢化が加速すると、15年には現役世代2.3人が1人の高齢者を支えていたのが、40年は1.5人が、また65年になると1.3人が1人の高齢者を支えることになると予測されている。現役世代の負担は増す一方なのだ。これから老後を迎える世代にとって「年金保険料を納めても給付が受けられないのではないか」と、不安を抱える人は多い。