「鼻うがいを試してみたら?」と言われたが……
そこで、薬以外に何か日々できることで本当に効果的な対処法はあるのでしょうか? オンライン医療相談サービス「first call」で先日、こんな相談が寄せられました。
毎年春になると、花粉症で困っています。病院で薬をもらって症状を抑えてはいますが、それでも鼻水や鼻づまりが止まりません。
友人から「鼻うがいを試してみたら?」と言われました。ただ、鼻うがいには痛みもありそうで、効果が心配です。本当に効果があるならばやりたいと思っているのですが、どうなのでしょうか?
鼻うがい、非常に効果がありますよ。
花粉症の対策としては、薬以外ですと、スギやダニのアレルギーであれば免疫療法で抑えることもできます。スギに関しては花粉の飛散時期には免疫療法を行わないのが一般的なので、早めもしくは飛散が終わったら相談されてみてください。
鼻うがいの方法としては……(こちらは本記事の後半で具体的にご紹介します)
※本事例は、オンライン医療相談「first call」に寄せられた相談事例から一部を抜粋・編集してご紹介しています。
鼻うがいは花粉症に効果がある
耳鼻科専門医の先生も花粉症対策で太鼓判を押している「鼻うがい」について、イタリアで行われた研究をご紹介します(※3)。
この研究では、花粉症と診断されている妊婦を対象として、(1)鼻うがいを毎日3回するグループと、(2)何もしないグループ、に分けて花粉症シーズンの症状について調べました。各症状(鼻水、鼻詰まり、目と鼻のかゆみ、くしゃみ)についてそれぞれ0点(全くつらくない)~4点(とてもつらい)で毎日の症状を記録してもらいました。4つの症状についてそれぞれ記録してもらうので、全く症状がないのが0点、全ての症状がとてもつらい状態が16点です。
その結果を示したものが、以下のグラフです。
横軸は研究開始からの期間(週)、縦軸は症状の重症度を表しています。白丸(○)が鼻うがいをしないグループ、黒丸(●)が鼻うがいを行ったグループです。
研究開始時には、2つのグループの症状スコアはほぼ同じでしたが、研究開始直後から、症状に明らかな差が出ていることがわかります。この研究は、花粉が飛び始める時期から開始されているので、鼻うがいをしたグループもわずかに症状が悪化傾向にありますが、研究開始6週目まで、鼻うがいをしなかったグループよりも症状が軽いことがわかります。
この研究から、鼻うがいは花粉症に対して効果があることがわかります。
効果のある理由については、鼻うがいを行うことにより、花粉を鼻から出すだけでなく、鼻の乾燥の防止や、鼻の粘膜の細胞を活性化させ鼻水の通りをよくすることなどが挙げられています。