4象限タイプの2軸で、「プレイヤー」「リーダー」に仕分けする
マトリクスタイプに整理できたら、今度はそれをインプットにして、4象限タイプで人材評価をしていきます。
ここでは、マトリクスにある複数のスキルの中から「ITスキル」と「リーダーシップ」の2つを軸に選択し、4象限で評価することにします。
この2つを軸に選択した理由は、「技術的な専門スキルの有無」を重要視し、さらに「組織をまとめるリーダーとしてのスキルがあるか」を評価したいためです。
つまり、新しく担当する部門に、「プレイヤーとリーダーがどれくらいいるか?」を把握したいと思ったからです。
この結果、新しい組織の20人のスキル分布が図表2のようであることがわかりました。
右上のセグメント(1)はITスキルとリーダーシップのどちらもスキルが高く、総合力の高い人材のエリアです。逆に、左下のセグメント(4)はいずれのスキルも低いことを示しています。そして、セグメント(2)と(3)はそれぞれ、ITスキルかリーダーシップの一方のスキルが高いという評価になります。
チーム力を最大化する作戦を立てる
組織の人材のポジショニングが把握できたので、これを元に、組織を立て直す作戦を考えます。
まず、リーダー候補となるのは「セグメント(1)」(右上)か「セグメント(2)」(左上)に位置するメンバーです。リーダーシップに加えてITスキルを備えていると万能ですが、ITスキルがなくてもリーダーシップがあれば組織をリードすることはできます。
一方、ITスキルが長けている人は、できるだけ技術的に難しい仕事を担当させることで本人の強みを生かすことができます。
「セグメント(4)」に位置する人材は、若手が多く育成対象となります。メンターをつけるなど、できるだけ早く成長できるような策を考えます。もし、このエリアにシニアなメンバーがいた場合、そのメンバーは育成対象ではありません。残念ですが、配置換えや、難易度・重要度の低いタスクをアサインするなど、別の策が必要になります。
このように、組織の人材のスキル分布が「見える化」されると、体制の組み方、依頼するタスクの種類の検討がよりクリアになり、適切な策を打つことができます。
また、セグメントごとの人数のバラツキも評価することができます。
一般的にバランスのいい組織は図表3のように、セグメント(1)から(4)に向けて要員数が増えていきます。しかし、現実の組織ではこのバランスが崩れている場合があります。
例えば、セグメント(1)の要員数が多い場合は上が詰まってしまい、組織が硬直している可能性があります。スキルと経験は上がっても、役職・ポジションが上がらないケースです。