最初は、労働基準監督署に相談することをお勧めします。労基署から会社に是正などの勧告が入れば社内の制度などが劇的に変わる可能性があるからです。

もう辞めさせると決めた場合には、労働問題に強い弁護士に頼ることです。多額の費用が掛かりそうだと尻込みされる方も多いですが、アドバイスを聞くだけなら、掛かるのは法律相談料のみ。1時間1万円が一般的な相場です。代理人として企業との交渉や法的手続きを依頼される場合は、弁護士事務所によりますが、私の事務所であれば、長時間労働でうつになったケースだと費用は依頼人が得ている月収の7~8割程度です。

長時間労働の問題で会社と係争になったときに重要なのは、労働時間の記録となる証拠をどう確保するか。未払い残業代の請求はもちろんですが、過労死や、自殺、過労による疾病では、労災認定を目指す際、勤務時間の記録が残っていないことが障害になることが非常に多い。多くの場合、退職とともにパソコンと携帯は会社に返却してしまうため、勤務時間を立証するデータがないのです。

会社で使用しているパソコンのログイン・ログオフ時間や、メールの送信履歴、ソフトの立ち上げ時間、携帯電話の使用履歴や業務日報などの記録をとっておくことを勧めています。最低でも手帳へのメモはしてください。記録をとっておく期間は2年。過労死、過労うつの労災認定に必要な半年分は記録したいところです。

積極的に介入し、労基署に相談。勤務時間の記録も確保する
棗 一郎

弁護士。旬報法律事務所所属。日本労働弁護団幹事長。1961年、長崎県生まれ。中央大学法学部卒。日本マクドナルド店長残業代請求事件などを担当。