機動力重視で荷物を減量

結局、私がカウンターで発券を受けたのは19時5分のこと。手荷物検査を受けて搭乗口に着いたころには、すでに搭乗が始まっていた。

カンボジアのホテルロビーで寝ぼけ眼の著者。1人の旅行ではリュック(筆者の左)のみ、2人でも肩掛けバッグ(筆者の右)一点が追加されるだけと、非常に荷物が少ない。

すぐに並んで機内に入り、離陸を待ったのだが、定刻の19時20分になっても機体は動き出さない。19時55分ごろ、機内アナウンスで「荷物のオーバーロードのため、出発まであと15~20分ほどかかります」との案内があった。前の客から「荷物が想定よりも大幅に増えてしまったんだな。それで、貨物室にバランスよく配置しなおす必要が出てきたんだよ」という声が聞こえてきた。あぁ、早く飛び立ってくれ。このままだとトランジットに間に合わない……と内心焦ったが、無事20時25分に離陸し、プノンペン発成田行きの飛行機に乗ることができた。

さて、前置きが長くなってしまったが、今回のテーマは「旅行の際の荷物」についてである。

基本的に、私はひとりで出張に行くときはEASTPAKのリュックひとつで出向く。中身は1日分の着替え、ノートパソコン、クリアファイルに入った資料、書籍1冊、タオル、ニンテンドー3DS、各種電源、薬……といったところだ。動きやすさを重視するので、必要最小限の荷物しか持たない。

また、今回のカンボジアもそうだが、2人で行く場合も非常に荷物は少ない。横幅70cm、高さ50cmほどの肩掛けカバンと、私が普段使っているEASTPAKのリュックだけだ。ここに2人分のすべての荷物をパックして持ち運ぶ。飛行機に乗るときも、カウンターで預けることはない。現地では当座必要なものだけをリュックに入れて、私がそれを背負って行動する。

旅行や出張の荷物、多すぎでは?

海外旅行になると、洗濯物は5日分×2人分、書籍の冊数は4冊に増え、ガイドブックや変圧器が増えるが、基本的にはそれだけである。だから、冒頭で登場したような「荷物のやたらと多い旅行客」が、巨大なバッグやスーツケースにいったい何を入れているのか、さっぱり理解できない。

少し前、日本では中国人観光客の「爆買い」が話題となった。膨大な物品を購入したのであれば、大きな荷物になってしまうのもまだ理解できる。だが、昨今は出張を含むちょっとした旅行であっても、妙に荷物が多過ぎないだろうか? たかが1泊の出張だというのに、車輪のついたキャリーバッグを携えて新幹線に乗っている人が大勢いる。海外旅行ともなれば、巨大スーツケース+キャリーバックといった人もいる。

荷物をたくさん持つのは自由だが、冒頭で述べた例のように「オーバーロード」になって飛行機の離陸が遅れるのは、正直たまったものではない。