ここで、具体例をもとにメモの取り方を解説しよう。

「スケートボードを大人に売りたい」という会議に出ていると想定する。私なら図版の上のようなメモを取る。まず話の糸口として、どんな大人ならスケボーに乗るだろうかと考えた。そのために、今実際にスケボーに乗っている子供の特徴を挙げてみる。また、大流行中の「ポケモンGO」の話題が出たかと思うと、海外でのスケボーの話から、「1人で乗るのとグループで楽しむのはどちらがいいか」といった話題も挙がったとしよう。

先ほど大事な3つに二重丸をつけると言ったが、ここでは「スケボー好きな人のエッセンス抽出」「ポケモンGO大流行の理由」「集団で楽しむために必要なこと」という3つを選んだ。ここが、次の会議までに考えを深めておきたいと思ったポイントだ。

さらに細かく見てもらうと、1枚目の右上に「音楽好き?」などとある。私が末尾に「?」をつけるのは、調べてみようという意味だ。その過程で、二重丸をつけた「エッセンス抽出」のヒントが得られるかもしれないと仮説を立てている。

ほかにも矢印を使って話の流れを整理したり、対になりそうな概念を「VS」で結んだりしている。最重要ポイントを3つ選ぶのに慣れたら、こうして自分なりの記号を使ってみると、頭の中がスッキリ整理できる。

また、吹き出しの使い方にも注目してほしい。吹き出しのいいところは、会議の本筋とは少しずれた発言や自分の思いつきでも、「余談」として表現しやすいことだ。2枚目左下には、「OLもありだね」というセリフに発言者のイラストも添えてある。下手な絵でも一向にかまわない。こうしておくと、後から見直したときに会議のライブ感が鮮明によみがえってくる。