やめたいのに、やめられない習慣

真夜中にうずく欲望――。いけないとわかっているのにやめられない。いや、いけないからこそ燃え上がるのか。

私が夜ごとに悶々としてしまうやっかいな相手、それはラーメンです。夜中に食べるラーメンは、どうしておいしいのでしょうか。太ることがわかっているのに、つい食べてしまいます。小腹が空かないように、夜は早く寝てしまえばいいとわかってはいるのですが。やめたいのにやめられない習慣はどうやったらやめられるのでしょうか。

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そんな私の悩みに解決のヒントをくれたのが、スタンフォード大学の心理学者であるケリー・マクゴニガルさんです。

ケリーさんのスタンフォード大学での講義では感激して泣いてしまう学生もいるというほどの人気です。その講義を書籍化した著書『スタンフォードの自分を変える教室』は60万部のベストセラーになり、世界20カ国で刊行されています。そのケリーさんがプレジデント読者のためだけに取材に答えてくれました。

「明日からやめる」は典型的な間違い

やめたい習慣にどう立ち向かえばよいのか。私の場合はどうかと考えてみると、「明日からやめる」と決めることでした。今日は最後のお楽しみとして盛大に深夜のラーメンを食べまくれば、翌日から気持ちを新たにして強い意志が発揮できるような気がするからです。

ケリーさんに聞いてみると、にっこりと素敵なスマイル。でも、これは典型的な間違いだといいます。今日ではなく、明日から何か別のことをしようと思うと、なぜか人は今の自分より強い意志が発揮できる、明日からのほうが変化をもたらすのは簡単だと勘違いしてしまうのだそうです。

では、どうしたらいいのか。ケリーさんに教えていただいた方法はとても意外で、「そんな簡単でいいの!?」と思わず目を丸くするような方法でした。