粋か野暮かお金の使い方も問われる
時代が変わったとはいえ、銀座のクラブは一般のサラリーマンが自腹で通える店ではない。そのため今も会社の経費や接待費で支払う社用族が多いのも事実。「そのお金の使い方には、『粋』か『野暮』かが顕著に表れるもの」と話すのは由美ママだ。
「会社持ちの飲み代だからこそ、お金の使い方に差が生まれます。つまり、ここぞというときに身銭が切れるかどうかです。例えば、ひいきにしている女の子の誕生日や引退する女の子の餞別、お店の開店記念日に、さらりとご祝儀が出せるかどうか。ポケットマネーなら、個人的にお祝いや、別れを惜しんでくれていることになりますよね。そのときに、『接待だったら、会社の経費でもう少し高いお酒を取ってあげられるけど、今日はプライベートだから、松竹梅のランクなら梅で勘弁ね』と言われると、『そちらで十分です。ありがとうございます』って素直に喜べます」
銀座のクラブには生花がつきものだが、自前のお金で花束を買ってきて「高いものではないけど、おめでとう」と言って贈られれば、やはりうれしいものだろう。自分の懐を痛めて使った身銭は、会社の経費の何倍もの価値がある。他人の懐でしか付き合いができない男は、いくら金払いがよくても、そういった生きたお金を使えないのだ。
「お金のバランス感覚が悪い人は粋できれいな飲み方ができない人です」と話すのは優希ママ。
「とても高い腕時計をされて、スーツも靴もきめているのに、異常にお金の使い方に細かい人がいます。お客様のボトルを私たちもいただきますが、気に入った女の子にしか飲ませない。お気に入りじゃない女の子には『君はもういいから。水飲んどけよ』と言って、これ見よがしに邪険に扱うんです。普通の飲み方をされればいいのに」