5人目の子供に祝い金500万円

法定外福利費のうち、過去5年間、特に顕著な伸びを示しているのが「育児関連費用」。02年度の32円が07年度は100円と3倍増だ。育児休暇・休職制度の拡充、託児所の開設といった施策を採る企業が多いなか、大きなニュースとなったのが、第五子以降の出産に対して、祝い金500万円を支払う、というソフトバンクグループ4社の例だ。07年4月から、第一子に5万円、第二子に10万円、第三子が100万円、第四子に300万円、第五子以降に500万円が支給される制度がスタートした。07年度には30人の第三子、1人ずつの第四子、第五子に祝い金が贈られた。また、共立メンテナンスは昨年5月から、第三子以降の出産に際して、祝い金10万円とは別に、子供が小学校を卒業するまでの12年間、毎年30万円を支給する制度を始めた。

両社の斬新な政策の裏には、社員の育児を支援する制度の整備を通じ、企業自体が少子化対策に熱心に取り組んでいることを社会にアピールする狙いもあるはずだ。いわばCSRの一環としての福利厚生である。

また、「給料以外の報酬」といえば休日を思い浮かべる人が多いかもしれない。実際、年間休日が多いことを求職者への売りにする企業もあるくらいだが、今年1月、キリンビールが発表したのは、休日ならぬ、最長3年まで可能な休職制度だった。対象は勤続5年以上の社員で、・配偶者の転勤、・ボランティア、・大学や大学院への通学あるいは留学といった自己啓発の場合に認められる。1回の休職期間3カ月以上1カ月単位、3回までの分割取得が可能だ。復帰するのは在籍していた部署である。制度の推進役であるキリンビジネスエキスパート人事部の山田宏史氏は、「目的は優秀な人材、特に女性の離職防止です。新卒の4割が女性なのですが、半数が5年以内に辞めていくのが実態。結婚すると配偶者の勤務の都合で引っ越しを余儀なくされるケースが多い。これを何とか変えたかった」と話す。結果的に「辞める」という選択をしてもいいのだが、今までは「配偶者の転勤即、退社」というケースが多かったので、時間の余裕を与えじっくり考えてもらう、という意味である。採用にも教育にもお金がかかっている。これから力を発揮してもらおうと考えたときに辞められるのは企業にとって大きな痛手なのだ。

欧州には、キャリアブレイクと呼ばれる、新しい能力や技術を身につけるため、学校に通ったり研修を受けたりする長期休暇制度がある。この制度はその目的でも使える。3月現在、申請者はゼロだそうだが、ボランティアや自己啓発での利用も増えてほしいものだ。