「希望の党」の代表就任で、注目を浴びている小池百合子都知事。10月7日発売の雑誌「プレジデント」(10月30日号)では、小池知事への独占取材を行い、「小池百合子・独占手記『わが政権構想を明かそう』」を掲載した。今回、プレジデントオンラインでその内容を公開する。大きな決断の陰に、秘められたビジョンとは――。

大義なき解散を希望に変えてみせる

衆院選の公示が10月10日におこなわれました。安倍晋三首相は「国難突破解散」と銘打ち、9月28日に衆議院を解散しましたが、何のためにいま選挙をしなくてはならないのか、私はいまだに理解ができません。「大義なき解散・総選挙」というのが私の実感であり、おそらく国民の多くの方も首をかしげておられると思います。

東京都知事、希望の党代表 小池百合子氏

安倍首相が解散総選挙を表明した9月25日、私は新党「希望の党」を結成し、代表に就任いたしました。「大義なき解散」とはいえ、日本にとってむしろ大きなチャンスです。日本が現在抱えている問題を洗い出し、将来を見据えた成長戦略に本腰を入れるために、国としての基本姿勢をリセットする絶好の機会となるからです。

新党立ち上げからわずか数日で、日本中に大きなうねりが湧き起こりました。ここ数年間、いかに日本が「安倍一強」政治に対してほかの選択肢を持たなかったか、その表れではないでしょうか。一方で新党結成と私の代表就任に関しては、実にさまざまな臆測が飛び交っています。これまでもメディアの前で私の考えはご説明してきましたが、ここで改めて私の決意と、今回の決断に至る背景をお話ししましょう。

25年前の「日本新党」結成に賛同した理由

私にはある原体験があります。25年前の1992年、私は細川護熙氏の日本新党結成に賛同して政界に転身、国会議員になりました。当時も今回の状況と同じく、わずか数人で始まった新党でしたが、やがて大きなオーケストラとなり、政権交代を実現するまでに成長したのです。新党は硬直した政治を打破する起爆剤になる、そのエネルギーを実感した瞬間でした。

しかし新党の難しさは、それを持続させることにあります。93年に38年ぶりに自由民主党からの政権交代を果たした細川連立政権でしたが、その後の北朝鮮情勢の悪化や、安全保障政策に関する議員たちの立場や考えの違い、また細川氏自らの金銭的問題なども絡み、政権は1年を経ずして瓦解。

私が今回の新党結成にあたり、候補者選びに細心の注意を払い、安全保障政策や憲法改正に対する基本的な考えを確認したいとこだわるのは、当時の政権瓦解を目の当たりにしているからです。当時“非自民”で結束していた8党会派は「ガラス細工」と揶揄されたものです。

今回の選挙でも、「自民党政権を終わらせる」「安倍一強時代を終わらせる」というスローガンのもと異なる党派が結束するのはいいですが、一時の利害にだけ目がいき、国の命運を分ける安全保障政策や憲法観という重要テーマにおいて基本姿勢が異なる人々が手を取り合っても、いずれ問題が紛糾することは目に見えています。

ましてや現在、北朝鮮情勢は極めて厳しいものとなっています。いざというときに、右だ左だと大騒ぎして大事な決定が遅れれば、日本にとって取り返しのつかない事態になるでしょう。議論のための安全保障政策、誰かに反対する争点としての憲法観ではなく、極めてリアルに現実問題に即した考えを持つ同志を求めます。その思いを共有できる仲間として、14名の国会議員が「希望の党」立ち上げのチャーターメンバーとして集結したのです。