都知事と党首、兼務可能な根拠あり

さて、では具体的な「希望の党」の政策について見ていきましょう。私たちは、政治、社会、経済、環境・エネルギー、憲法改正の5本柱を政策の中心に据えています。なかでも喫緊の課題としていくつか代表的な事案についてお話しいたします。

まず、皆さんの日々の生活に直結する経済の問題からです。私たちは「消費増税凍結」を掲げています。

安倍首相が推進してきた「アベノミクス」政策はいまだ道半ば。大企業を中心に収益は回復の傾向を見せ、雇用指数も改善しつつあるものの、それはあくまで統計上の数字においてのみ。一般家計において所得が大きく上向いているわけではなく、非正規雇用も依然として多いのが現実です。

日々の生活費が人々の財布に大きな負担をかけているなか、ここでさらに消費税を10%にまで引き上げられたらどうなるでしょう。税収はアップしても、経済の柱である個人消費は確実に冷え込みます。「増税前の駆け込み需要が期待できる」と見る人もいるかもしれませんが、従来、そこで期待できるのは主に住宅建設分野です。

もっとも知事報酬の低い知事

しかし、全国的に空き家問題が噴出しているなかで、さらに新しい住宅やマンションを建設して一時的な経済効果を求めるのは、将来的な視点に欠ける浅はかな行為でしかありません。ショック療法的な一時の効果に期待を寄せるのではなく、持続的で長期的な視点に立った経済政策が必要です。

また、国民に負担をかける前に、政治家たちにできることはもっとあります。具体的には「議員定数・議員報酬の縮減」です。私自身は現在、47都道府県のなかでもっとも知事報酬の低い知事として働いています。都知事に就任した時点で、都知事報酬をスパンと半額にする条例を提出し、可決されました。その結果、都知事より都議報酬のほうが高額になる逆転現象が生じ、その後都議報酬も2割削減が実現されました。

もちろん都議や国会議員の報酬を何割かカットしたところで、国庫が急に豊かになるわけではありません。しかし、これは政治を担うものの姿勢や覚悟の問題です。議員自ら身を切る改革をしてこそ、ようやく国民の皆様にも負担をお願いできるのであり、その順番は間違えてはなりません。