「国家戦略」がすべてに優先する
改革開放以来、外資の導入を国是としてきた中国にとって、対外投資は政府の監督管理部門にとっても、企業、個人にとっても経験不足は否めない。そのなかには国家戦略があり、企業の商業的な動機、政府からの利益を巡る競争、衝突、協調がある。
にもかかわらず、中国には、いかに市場メカニズムを採用し競争で勝負を決するといえども、覆すことのできない原則が存在している。それはすなわち「国家戦略」がすべてに優先するという事実で、それに従う者は栄え、逆らう者は滅びるのである。
万達グループの王健林代表、福星グループの郭広昌代表らは、誰よりもその原則を熟知していたから富豪に成り上がることができたわけで、いち早く共産党に従って歩むことを表明したのは、彼らの嗅覚が危機を回避するため、そうさせたというべきだろう。
陳 言(ちん・げん)
在北京ジャーナリスト。1960年、中国・北京生まれ。82年南京大学卒業。「経済日報」勤務を経て、89年より日本へ留学。1998年年慶應義塾大学経済学研究科博士課程修了。萩国際大学教授を経て2003年に帰国。月刊「経済」主筆を務める。2010年から北京で日本企業研究院を設立、執行院長に。
在北京ジャーナリスト。1960年、中国・北京生まれ。82年南京大学卒業。「経済日報」勤務を経て、89年より日本へ留学。1998年年慶應義塾大学経済学研究科博士課程修了。萩国際大学教授を経て2003年に帰国。月刊「経済」主筆を務める。2010年から北京で日本企業研究院を設立、執行院長に。