最新技術満載でEVリーダーになれるか

2代目リーフの特徴は、航続距離が大きく伸びたということだけではない。運転支援技術「プロパイロット(ProPILOT)」の他に、「プロパイロット パーキング(ProPILOT Park)」や「イーペダル(e-Pedal)」といった最新技術をてんこ盛りにしているのだ。

プロパイロットは、高速道路と自動車専用道路で単一車線での自動走行が可能になる新技術で、昨年8月発売のミニバン「セレナ」に初めて搭載し、注目を集めた。

フルモデルチェンジした電気自動車(EV)新型「リーフ」。

プロパイロット パーキングは、ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御するもので、車庫入れや縦列駐車をボタンひとつで行うことができる。

イーペダルは、アクセルペダルの操作だけで発進、加速、減速、停止までをコントロールするシステム。2016年11月に発売した「ノートe-POWER」で搭載したもので、今回はそれをさらに進化させた。これによって、ブレーキとアクセルの踏み間違いがなくなる。

走りについても、大きく進化しているそうだ。坂本副社長は、実際に運転した感想として「運転していたストレスを感じない加速、それが車としても誇れている点だと思う。あとは低重心を利用した旋回性能、これが非常に高くてスポーツカーにも負けない性能を持っている」と話す。

このように日産は新型リーフに対し、これまでにはなかったような力の入れようだ。約7年前に初代を発売した当時、日本メーカーはハイブリッド技術に傾注していた。そんな中、日産自動車は次期エコカーの主流はEVと判断し、リーフを発売した。その裏には日産がハイブリッドに力を注げば、それだけトヨタ自動車を利することになるとの考えがあった。

初代リーフは累計販売台数が28万台で、当初目標を大きく下回ったものの、日本メーカーの中では「EVは日産」という存在感を示すことに成功した。しかも今年に入って、欧米の自動車メーカーがこぞってEV開発に力を入れ、次々にEVを発売。米テスラは今年7月に量産型EV「モデル3」を発売し、受注はなんと50万台にのぼった。まさに「EV時代」が到来しつつあるように思える。

日産はこうした動きを捉えて、2代目リーフでEVのリーダーとしての地位を確固たるものにしようというわけだ。しかし、販売台数目標について、西川CEOは具体的な数字を明らかにしなかった。

「われわれがあまり台数を言ってもしょうがない。これまでの経験から信頼の土壌ができており、目算としてグローバルで2倍は間違いなく、日本は3倍ぐらい行けると思っている」(西川CEO)

2016年度の販売実績は国内約1万2000台、グローバルでは約4万7500台だった。果たして、西川CEOの目論見通り、新型リーフがユーザーに受け入れられるかどうか、今後の動向に目が離せない。

(写真=AFLO)
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