直接依頼する「マッチング型」とは
一方のマッチング型は、サービス提供会社が運営しているサイト上で、フリーランスの家事代行人と依頼主をつなぐサービスである。派遣型に比べると、どのようなシステムなのか想像しにくいかもしれない。14年にマッチング型のサービス提供を開始し、3年足らずで登録会員数が1万人を超えたという「タスカジ」社長の和田幸子さんに聞いた。
「基本的に個人と個人の契約ですから、私たちは仲介しません。その分手間や人件費を減らせるので、安い値段で利用していただけるのがマッチング型の大きなメリットです」
派遣型の相場は1時間3000円~だが、タスカジでは業界最安値級の1時間1500円~という低料金を実現している。利用するには、まずウェブサイト上で依頼主として会員登録。最寄り駅を入力すると、依頼が可能な家事代行人のリストが表示されるので、気に入った人を選び、直接オファーする。プロフィール内には以前利用した人からのレビューもあるので、参考にしながら選べる。自ら連絡のやり取りをしなければいけないし、不満は自分で処理する、何かあっても代わりの人は派遣してもらえないなど、多少面倒で不便な部分はあるが、自分で好みのチョイスができる点がなかなか興味深い。
「タスカジさん」と呼ばれる代行人は一人一人提供するサービス内容が異なり、家事全般に対応する人もいれば、つくりおき料理に特化した人、整理整頓が得意中の得意とアピールする人もいて、バリエーション豊か。
「前職がフランス料理店のコックだった方は、その味が好評で予約殺到。テレビ番組でも取り上げられ、レシピ本の出版依頼まで来たんです」
現在登録している家事代行人は約400人。身分証確認と面接を行った後、全国20カ所の「テストセンター」で行われている実技テストをクリアすれば、誰でもタスカジさんになれる。永住権を持つ外国人が多数在籍しているのも特徴。自身もフィリピン人に家事を外注しているという和田さんは、その“家事能力”の高さを身にしみて実感。
「文化的に、子供のころから家事を叩き込まれるようです。掃除ひとつとっても、隅々まで徹底的にきれいにしてくださいます」
英語が堪能な人も多く、英語力を身につけたいと思っている利用者には好都合。「子供の英語教育に役立つ」という声をよく聞くそうだ。