「2020大学入試改革」内容、ざっくり言うと……

そして、この種の人たちがいま注視しているのは、政府の教育再生実行会議、文部科学省の中央教育審議会などが議論を積み重ねている2020年度からの大学入試改革であろう。従来の大学入試センター試験が廃止され、「大学入学共通テスト(仮称)」が新たに実施される。また、個別大学における入学者選抜にもメスを入れようとしている。

この大学入試改革は、高校と大学の教育を一体で見直そうという「高大接続改革」の一環である(同時期に小学校や中学校の指導要領も改定される予定)。

ざっくり言うと、この教育改革の狙いは子どもたちに「学力の3要素」を求めるものだ。

要約すると「21世紀型教育」らしいのだが……

すなわち、従来の「知識・技能」中心の教育にとどまることなく、知識・技能を土台にした「思考力・判断力・表現力」、さらにはそれらに基づいた「主体性・多様性・協働性」を持った人間形成をおこない、グローバル化や技術革新が進展する現代に対応できる人材育成を目指しているというもの。

この教育改革を教育現場で実践するための手法として挙げられるのが、最近頻繁に耳にする「アクティブ・ラーニング(AL)」「グローバル教育」「ICT教育」「キャリア教育」などである。これらの取り組みを総称する「21世紀型教育」ということばも生まれている。

この教育改革が掲げる「学力の3要素」を子どもたちが有しているかどうか。この観点から大学入試問題が新たに生まれ変わるらしい。たとえば、国語や数学は記述式の問題が増え、英語では従来の「読む・聞く」能力に加えて「書く・話す」能力を直接的に診る問題が出題されるという。