マクロンとブリジット、二人の出会いから結婚まで

英インディペンデント紙が、さんざんマクロン夫妻のカップリングをからかっている(http://www.independent.co.uk/news/world/europe/emmanuel-macron-wife-brigitte-trogneux-french-election-president-25-years-older-age-gap-married-a7699786.html)のだが、その記述を元に、二人の愛の歴史をまとめよう。ブリジットは現在64歳、夫の25歳年上で、7人の孫を持つ女性である。かつてブリジットは銀行マンと結婚しており、私立校で教師として働いていた頃、当時15歳の生徒、エマニュエル・マクロンと出会った。二人の関係は教師と生徒(40歳と15歳)、さらに同じクラスにはマクロンと同い年の娘が在籍していた。

ブリジット・バルドー風のファッションに身を包んだ彼女は、ラテン語とフランス語、そして演劇を教えていたが、神童とも呼べる優秀さを示していたマクロンからのリクエストで毎週金曜日の個人指導が始まり、「そんなもん疑いなしに、先生生徒の関係を超えてムニャムニャなことになったに決まっているけれど、フランス法でさえ権威ある大人が18歳未満の少年と性的な関係を結ぶのは違法と定めている」(インディペンド紙、同記事より)。

筆者が最近買った雑誌の表紙。フランス国内ではブリジットは大人気で数々の雑誌の表紙を飾っている

ブリジットはパリ・マッチ誌のインタビューにこのように答えている。「少しずつ、私は彼の知性に溺れていったわ。いまだにその底を見たことがないほどよ。そして彼にのめり込んでいった。彼もね」。……読んでいるこちらが恥ずかしくなってしまうくらいである。そして17歳の時、マクロンは「あなたがどういう状態でも構わない、僕はあなたと結婚する!」と宣言したのだそうで、やがてブリジットは離婚に至り、二人はマクロン29歳、ブリジット54歳の時に結婚した。繰り返すが、ブリジットにはマクロンと同級生の娘がいる。

たとえフランスにあっても、やはりその結婚は彼らの地元でも「純粋に、スキャンダル」だったそうだが、今となっては出会いから25年間ずっと、二人の間に知的で強い結びつきがあること自体が「全てを制圧し、黙らせる愛」の証なのだそうだ。はいどうも、ごちそうさま……。

フランス各誌でブリジット賛歌がすごい

さて、これが日本だったらお騒がせ政治家として、なんとなくイロモノ扱いされる可能性だってあるのだが、フランス国内ではマクロン夫妻は憧れの的であり、ロマンスの象徴である。男女問わず恋愛至上主義のフランス的価値観においては、大小の障害があろうともそこまで愛せる相手を見つけたことが「羨ましいほどの」運命であり、その運命の相手とさまざまを乗り越えて結ばれるなんていうのは、もう「ロマンチック〜ぅ」と身悶えするほどなのだという。

道理で、マクロンが大統領選に名乗りを上げた頃から、早くもブリジットは「素敵!」と数多の雑誌でフィーチャーされ、その日常をカメラに収められ、特に女性が読むようなゴシップ各誌で表紙を飾るようになってきた。そして彼女のすごいところは、64歳とは思えぬほどのプロポーションを維持し、しかもそこにハリウッドスターのような人工的な努力の跡が見えず、かつ「超インテリ」で態度も堂々としていて、39歳のマクロンと並んで歩いたり、勝利のキスをしたりといった場面さえも非常にメディア映えするところだ。

「あれは本当にフランス的な、“いい女”ですよ」と、フランス生活の長い、ある日本人女性は言う。「振る舞いからもファッションからも、自信と教養に裏打ちされた色気がにじみ出ている。エマニュエル・マクロンほどの優れた男が15歳で雷に打たれ、一生を投じて選ぶのもわかります」。

自身もかなり年上の妻と結婚した都内在住の建築士の男性は、年上妻の魅力を「精神的にも経済的にも自立しているので、夫に期待したり押し付けたりすることがなく、自由にさせてくれる部分」と語る。年下の女性との関係では得られなかった安心や信頼のおかげで、精神的な結びつきが非常に強く、それだけに肉体的にも……なのだそうだ。野暮なことを突っ込んで聞いたこちらが赤面してしまうようなラブラブぶりである(なんかゴメン)。年上妻と結婚した年下夫は、いろいろ満足度が高いのだそうです。ふーん……。