トランプ大統領のパリ協定離脱を巡り、名言続出
またもやあのアメリカのトウモロコシヘアおじさんが、世界中がやっとこぎつけた総意を近視眼的な信条で乱暴に踏み荒らしている。6月1日、「気候変動」それ自体の存在に疑念を示してきたトランプ米国大統領が、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を表明したのだ。
彼が守ったとしている米国内では、石炭業界はもろ手を挙げて歓迎しているものの、まともな外交・安全保障・環境意識を持つ層からの反発は大きい。GEのジェフリー・イメルトCEOやテスラのイーロン・マスクCEOが、パリ協定離脱に反対するツイートの中で「気候変動は本当だ」と書かねばならないあたり、「気候変動は中国の陰謀」のようなトンデモ論がフツーにはびこり、政治まで変えてしまう米国の“民度”が心配になってしまうレベルだ。
大統領の長女イヴァンカ・トランプ補佐官やその夫のジャレッド・クシュナー上級顧問、レックス・ティラーソン国務長官、ジェイムズ・マティス国防長官など、彼の直近のホワイトハウススタッフ内にもパリ協定残留派は多く、ティラーソンは直後に「米国は将来も温室効果ガスの排出削減の取り組みを変更することはないだろう」と発言している。
イケメンマクロンと、日本で真のダンディズムを体現する男・麻生太郎の名言
欧州では、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でトランプの手が白くなるまで握手を離さず固い意志表示をしたフランス新大統領、エマニュエル・マクロン氏(参考:http://president.jp/articles/-/22019)が「プランBはない。地球(プラネット)Bはないからだ」という、その余韻だけでワイン3杯飲めそうな名言を発した。
そしてわが国からは……われらが麻生太郎財務相が6月2日の閣議後会見で放ってくれました。「その程度の国だということですよ」。いよっ、待ってました!
“(パリ協定の前の温暖化対策の枠組みの)京都議定書ができたときに、アメリカが言っていたことを覚えていますか。中国が入っていない、やっても意味がないと言われながらも日本が主導し、結果的にきちんとその方向でことが流れるようになった。それが終わってパリ協定ができて、百数十カ国が入ることになったが、アメリカがいま、化石燃料の消費の面からみて経済に及ぼす影響がいかがなものかと。(中略)もともと国際連盟をつくったのはどこだったか。アメリカがつくった。それでどこが入らなかったのか。アメリカですよ。その程度の国だということですよ。”(朝日新聞デジタル<麻生財務相「その程度の国だということですよ」>2017年6月2日 http://www.asahi.com/articles/ASK623HMWK62ULFA00H.html)
吉田茂の孫の発言だと思うと、なおさら味わい深い。かっこよすぎるのである。その生まれもこれまでのきらびやかな経歴も、数々の失言や名言も、Wikipedia「麻生太郎」のページWikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/麻生太郎)をご覧いただくのが一番だろう( ただし、あまりの人気の高さの反映で情報量が多く、きちんと読んだら1時間くらいかかりそうだ)。麻生財閥の当主であり、総務大臣も外務大臣も総理大臣も財務大臣(兼副首相)も歴任。しかも海外メディアに「ギャングスタイル」と評されるキメキメのおしゃれさんで、夜な夜な一流ホテルバー通いの愛煙家で、クレー射撃でオリンピック出場。御年76歳にして『ゴルゴ13』や『ワンピース』といったマンガを読みこなし、サブカルにも理解があって、洒脱(しゃだつ)を通り越して過激な発言で世間を煙に巻く。彼こそ日本で真のダンディズムを体現している男と言えよう。小説か! ドラマか! いや、マンガなのか?
……というわけで今回も余計なお世話と失礼を重々承知しつつ、本日の脳内エア会議のお題は「もしかして太郎ちゃんは、あの“遊び人しかなれない、憧れのドラクエ賢者”じゃないのかしら」でございます。