パスワードは「3時のおやつは、カステラが一番」
ちなみに同書では、このローマ字記述によって、「オリジナルの文章」をもとにパスワード作成する方法を紹介している。手順はこうだ(図版参照)。
(1)最初に適当なフレーズを決める→(2)そのフレーズをローマ字化する→(3)各言葉の冒頭の文字のみ拾う
例えば……。
(1)フレーズ「3時のおやつは、カステラが一番」→(2)「3 ji no oyatsu wa,kasutera ga 1ban」→(3)「3jnow,kg1b」(パスワード完成)
さらに、推測されにくくするために、記号を変更(追加)して、「3jnow#kg1b」(,を#に変換)し、先頭と末尾に配置する文字を決めておいて、「p3jnow#g1bt」(例えば、presidentの先頭「p」、末尾「t」を配置することにした場合)とすると完璧というわけだ。
前出のエムオーテックスの調査で、セキュリティ事故を引き起こしてしまう恐れがあると思われる「役職」を聞くと、1位「新入社員/26.0%」、2位「外勤(営業系)/25.0%」、に続いて、3位「経営層(社長・役員など)/24.0%」が入った。
なぜ、経営層が3位なのか。徳丸氏は調査結果をこう読む。
「新入社員は社会人経験が浅いことからまだ意識や知識があまりないこと、外勤はスマホや書類などを外出先で紛失する恐れがあること、経営層は秘密情報に触れる機会が多い上に他人から注意される機会が少なく自己流の対応を行っている場合が多いからではないでしょうか」
どの職種・世代も我流のパスワードはそろそろ卒業したほうがいいようだ。
(*)『セキュリティ 7つの習慣・20の事例』(エムオーテックス)
http://www.motex.co.jp/vision/enlightenment_activity/education_book/
(**)「セキュリティ教育の実態調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000010736.html