衆院解散は黙って見守るしかない

【塩田】現在、翁長知事は沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対を唱え、安倍政権と厳しく対立しています。

【二階】それは政治家としての信念でいろいろとご主張されるのは当然のことで、文句をつけるつもりはまったくありません。沖縄の発展と将来を考えて共に力を尽くし合うことができれば幸いなことだと思っています。辺野古問題も、翁長さんと会ったときは挨拶代わりに話し合っていますので、私が何を考えているかくらいのことは百も承知です。この問題は、円満な話し合いができて、それが沖縄と日本のためになるという同一の考えとか、一緒に手を結んで建設的な意見を見出していく。それが政治の妙じゃないですか。これからそれをみんなで考えなければなりませんね。

【塩田】政府の沖縄の基地負担問題担当は菅義偉官房長官です。官房長官の取り組みは。

【二階】懸命に頑張っているじゃないですか。結構なことで、大いに期待しています。今は専門の担当者が取り組んでいます。委託を受けた場合はやりますけど、われわれが余計なことを言う必要はありません。日米関係はもちろん極めて重要ですが、アメリカも戦略的に全方位で見ていますので、沖縄の基地問題が思うように進まないからといって、文句をつけてきたりはしないでしょう。その間に日本が解決に努力する必要は当然あります。

【塩田】前回の総選挙から2年4カ月が過ぎました。次の衆議院解散の見通しは。

【二階】衆議院議員の任期満了まで残り2年を切りましたから、政治に携わる者、選挙の場に身を置く者として、選挙は近いかもしれないという気持ちを持って対応し、対策に努力するのは当たり前のことです。だけど、今すぐ解散があるわけでもありません。首相が決めることで、「解散はない」と言ったら、「ある」という雰囲気が出てくる。「ある」と言えば、「そんなものないよ」となるわけです。黙って見守る以外に方法はありません。

「解散はいつ」と聞いたって、首相も答えようがない。エイヤッと決めなければいけないときもあります。解散は首相の専権事項といわれていますが、それだけにご自身が背負う責任は重いと思う。こうだ、どうだと端から言う話ではない。首相が国家のために解散はこの時期とお考えになれば、その方針、哲学によって決する。解散はいつがいいとか、人気が高いときにやったらいいと言う人がいるけど、そんなものではないと思います。

【塩田】定数是正で衆議院の小選挙区が「0増6減」となり、それに伴う新しい選挙区割りの勧告案が5月頃に出るといわれています。それが解散・総選挙に影響するのでは。

【二階】まったく影響ないとは言えないけど、それだけに左右されることはないと思います。やろうと思えばやれる。安倍首相としていつでもやれるという条件を整えておく。

【塩田】昨夏、前の総選挙から1年8カ月余が過ぎて幹事長となりましたから、当然、在任中に次の解散・総選挙があると受け止めたと思いますが。

【二階】それは運命ですから、その中でつねにベストを尽くす。それだけです。