敬語は社会人の常識。しかし、上司や顧客と話すとき、相手からよい返事を引き出すような言葉の使い方をしているだろうか? 資料のやりとり、契約の交渉……重要なタイミングで、恥をかかないために、ビジネス敬語をマスターしよう。

ものの言い方ひとつで相手に与える印象はがらりと変わります。もし、「この仕事、今すぐやって」と突然依頼されたら、少々乱暴な印象を受けるかと思います。そんなとき、「お忙しいところ申し訳ないのですが」という一言が添えられていれば、印象はだいぶ和らぎます。

このように、「人を動かして成果を挙げる」ことが求められるビジネスの現場では、コミュニケーションを円滑に行うための「ビジネス敬語」が求められます。お互いに仕事を気持ちよく進めていくためにも、相手が受けとめやすい言葉を選んだ「ビジネス敬語」をうまく使いこなしたいものです。

「ビジネス敬語」で大切なのは、敬語の用法が正しいかどうかよりも、相手の立場に立った「さりげない気配り」と「相手に恥をかかせないこと」を意識した丁寧な表現ができているかどうかです。

敬語の使い方は知っていて当たり前ですが、必要以上に丁寧な言い回しにして意図が伝わりにくくなる場合もあります。あくまでも「シンプル&ショート」を心がけましょう。書類をやり取りするような依頼、感謝、お詫び、返事など日常的な場面で使いこなせるかどうかで、大きく差がつきます。

上司や先方に依頼するとき
謙虚な姿勢が伝わるよう、丁寧な言い回しで相手に配慮を見せつつ、依頼の内容は明確に伝わるような表現を心がける。

×すぐにご対応ください。
○早急にご善処いただきたく、お願いいたします。

×担当者をご紹介ください。
○●●様にお口添えをいただければ幸いです。

×御社の実績を教えてください。
○御社の実績をご教示ください。

×こちらの事情をわかっていただけませんか?
○なにとぞ事情をご賢察ください。

×お忙しいと思いますが、急ぎでお願いいたします。
○ご多用中とは存じますが、早急にお願いいたします。

×価格の件、お考えいただけますか?
○●●の価格の件、ご一考いただきたく存じます。

×資料が届いたらお読みください。
○資料を添付しますので、ご一読いただけると幸いです。

×見積もりを出してもらえますか?
○お手数かけますが、見積もりを頂戴できますか?

×発表会にどうかお越しください。
○発表会にご臨席くださいますようお願いいたします。

×ぜひ弊社にご注文ください。
○●●がご入り用の際は、ぜひご用命ください。