これからは「かっちり」母さんより、「ゆるゆる」母さん

2020年の教育改革の推進役でもある文部科学大臣補佐官・鈴木寛さん(東京大学・慶應義塾大学教授)は、これからの社会で活躍できる子を育てるには「親が心構えを変える必要がある」と話す。

『プレジデントFamily2017春』号より。2020年の教育改革の推進役、文部科学大臣補佐官・鈴木寛さん(東京大学・慶應義塾大学教授)などに聞く、「新しい教育」に対応した親の心構えの持ち方。古い「学力観」かどうかのチェックリストあり。

鈴木さんが提案したのは、“ちゃんとしなさい”というのをやめてみようということだ。

「『ちゃんとしなさい』と口ぐせのように叱っているお母さんがいますが、たとえば、時間通りに言われたことをきちんとこなすような作業は、コンピュータがやってくれる時代になります。それよりも、子供の好きなことや得意なことを伸ばしてやることが大事です」

言ってみれば、ステレオタイプな「いい子像」を捨てることが「新しい教育」への対応の第一歩だと語るのだ。お母さん自身が「ちゃんとしている」と思っている価値観だって、外国に行けば非常識ということがある。自分の常識が常識とは限らない。

子育てしていると、わが子が自分の常識では到底理解できないことをしでかしたり、選択をしたりすることもあるだろう。そんな時に問われるのは親の「多様性への理解度」だ。

「お母さん、いままでこれが正解と思っていたけど、違うかもしれないね」という具合に、自分とは異なる価値観の子供の気持ちに寄り添い、子供の立場で考える。そんな寛容さがある、フレキシブルな“ゆるゆる”としたお母さんのほうが、几帳面で固定概念に縛られた“かっちり”母さんよりも、多様性への共感力があり精神的にもタフな“食っていける”子を育てられるのかもしれない。

*発売中の『プレジデントFamily2017春』号は、2020年の大学入試改革の要点を整理。チェックすれば、わが子の小・中・高・大の進路やわが子への対処の方法が見えてくる内容となっている。

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