【3】都心狭小 vs 郊外広大

いずれ住み替えが必要「売る」ことを前提に買う

持ち家を購入するならば、土地面積が50平方メートル以下の都心にある狭小戸建てと、郊外にある150平方メートル以上の広い戸建てはどちらがいいでしょうか。前頁で説明した「3つのP」から考えていきましょう。

結論からいうと、都心狭小の価格(Price)は不動産価格が高いので「×」、立地(Place)は利便性という点で「◎」、間取りや設備(Plan)は「×」といえます。狭小の土地に生活空間を組み込むと、リビングやキッチン、お風呂、寝室などが異なる階になり、移動するには上り下りが必要になります。若い人ならともかく、年齢を重ねるごとに、1日に何度も階段を往復するのは負担になってくるはずです。

一方、郊外の広い戸建ては、間取りや設備は「◎」です。

4~5LDK以上で基本的には駐車場も2台分はあり、充実しています。利便性としての立地は「×」ですが、子育て環境という意味では「○」。自然が豊かだったり、家が大きくて庭もあったり、子供が飛び跳ねても周りに気兼ねをしなくて済む。ただし、子供が成長して独立すると、こうしたメリットはなくなります。車で生活することが基本となるので、年齢を重ねると運転に不安が生じたり、庭の手入れや使っていない部屋の掃除も重労働になったりします。

都心狭小は家族が住む家としては狭く、郊外広大はいずれ使い勝手が悪くなる。つまり、どちらも、どこかのタイミングで住み替えが必要になってくるのです。

もし、将来住み替える前提で家を買うにしても、売りに出したときに買い手がつく物件でなければなりません。

その意味で、都心狭小の戸建ては若い人に買ってもらえる可能性が高く、郊外物件でも地元に人気のエリアにある戸建てなら売れるかもしれません。いずれにせよ、これからは高齢者や単身者が増えていくので、広い家は売りづらくなっていくでしょう。

(住宅ジャーナリスト 山本久美子)

【4】頭金・ボーナス払いあり vs なし

40~50代なら「頭金なし」は危険

住宅ローンの頭金は、あったほうがいいと思います。なぜなら、頭金をつくる過程がとても重要だからです。頭金がつくれる、お金を貯められるというのは、それだけ家計が引き締まっていて、管理できています。頭金をつくる能力があれば住宅ローンも返していける。つまり、返済能力となるのです。

特に40代、50代で家を買う場合は、頭金がないと危険です。ローン自体は組めるかもしれませんが、返済年数が長期にわたるため、老後になってもローン負担が残ります。

ただし、「住宅ローン控除を考えたら頭金を入れないほうが得」というのは賢い選択です。住宅ローン控除は、各年末のローン残高4000万円(※)を上限に適用されます。たとえば今、10年固定金利は0.4%程度。一方、住宅ローン控除を使えば10年間にわたって残高から1%の控除が適用されます。ということは、住宅ローン控除を使えば0.6%得するわけです。1000万円の0.6%なら6万円。6万円を政府がただでくれるようなものです。それなら頭金を入れないほうが得に決まっています。何かあったら繰り上げ返済すればいいのです。

ボーナス払いのあるなしということでいうと、ボーナス払いに頼っている人は返済能力が足りないケースが多い。ボーナスがどうなるかわからないなんて、もう10年以上前からいわれていることです。それなのに今さらボーナスに頼るのは、ちょっと甘いとしかいいようがないでしょう。

(ファイナンシャルプランナー 藤川 太)

※消費税5%の住宅、または建物に消費税がかからない中古住宅等はローン残高2000万円が上限。