活性化するブロックチェーンへの取り組み
――認証の領域ではどのような取り組みを行っているのか?
日立は指静脈技術を発展させたPBI(Public Biometric Infrastructure:公開型生体認証基盤)の提供を開始した。管理するのは公開鍵のみで、生体情報をサーバで管理する必要がな
いため運用コストを下げて利用できるのが特長だ。
山口フィナンシャルクループが採用を決め、2017年度上期から山口銀行、北九州銀行で稼働する予定だ。
――ブロックチェーンについてはどのような活動を行っているのか?
将来的にはさまざまな分野で利用が可能となると思うが、金融分野では主に、取引の透明性を担保でき、トランザクション管理の効率化が見込まれる貿易金融、シンジケートローンなどの業務に適した技術であると考えている。
例えば、三菱東京UFJ銀行とはシンガポールで小切手の電子化を対象としたブロックチェーン技術活用の実証実験を始めている。ブロックチェーンの技術的特長が生かせる分野で実績を積み重ねていきたい。
――ブロックチェーンについてはよくわからないことが多い。日立のブロックチェーン技術はどこかのベンチャー企業が開発したものを採用しているのか?
当社はLinux Foundationにボードメンバーとして参加している。来年、3月にVersion 1.0が登場する予定でそれを使う予定。現在、実施している実証実験などはVersion 0.6を使っている。
ブロックチェーンの基盤は、共同開発されたOSS(オープンソースソフトウエア)を中核としていく考え。その上に業務に合わせた機能・サービスを、自社の技術力を活かして独自に提供していく。