同じように働いていても、老後の生活には驚くほど差が出てしまう。そこで、役員経験のある「金持ちじいさん」1000人を対象に、生活習慣調査を実施。さらに、「金持ちじいさん」をよく知るお三方にその分かれ目について語ってもらった。

※調査期間:4月20日~5月10日 調査対象:元役員、あるいは事業責任者等の経験を有する60歳以上の男女 調査方法:インターネット調査(サーキュレーション)

金持ちじいさんは……[A]SNSを使う[B]手紙を書く

トレンドにアンテナを張り問題を発見しよう

スマホもネットも使いこなすシニアが増えてきた印象だが、「金持ちじいさん」はどうなのか。元銀行員として多くの経営者を見てきた菅井敏之氏は「今何が求められているのか、正しい情報を元に自分の価値を高められる人が『金持ちじいさん』になれる人。当然、情報弱者ではいけません」と断言する。

「そもそもお金とは、誰かの問題を解決した対価として支払われるものです。たとえば医者は怪我や病気を治してお金をもらいます。売れずに困っている商品を営業して売るから、お金がもらえるのです。困っている人の問題を発見する一番の能力は『親切心』ですが、世の中のトレンドに目を広げ、アンテナを張りめぐらせることも困っている人を発見するのに役立ちます。新聞やネットで情報収集することもその一つ」(菅井氏)

菅井氏によれば「草むしり屋さん」を起業して全国展開している人や、個人的な民泊やそのオプションとして行う外国人向けの街歩きガイド、着付け、茶道教室などで収入を得ている人もいるという。トレンドや世間のニーズに敏感になることが、収入源を発見するヒントになるというわけだ。

加えて井出進一税理士事務所代表の井出進一氏は、「無形の情報や知識にもきちんとお金を使う人が多い」と言う。

「新聞や雑誌などを購読して、一次情報に近い正しい情報を得るのはもちろん、困ったときは専門家に相談したり、実践性のあるビジネスセミナーなら有料でも参加したりと、彼らには『必要な情報にはお金を出す』という感覚が身についています。そのほうが、自分一人で悩みながら進めるよりもスピーディで、かかる時間を考えればお金を出したほうが効率的だと知っているからです。私も野球や音楽をしてきたので、基礎固めにはプロの指導が必要だということを実感しています。直接情報とは関係ありませんが、彼らは移動手段にタクシーを使い、その間にビジネスメールを確認したり、簡単な打ち合わせをしたりもします。これも『お金を出したほうが効率的』というケースの好例でしょう」(井出氏)