「自分に似た人」を雇うと失敗する
「経営者としての真の資質とは、複雑性と専門性をパフォーマンスに変えること」と、ジョーン・マグレタは新著『What Management Is』に書いている。「人を使って仕事をしなければならない必要があればあるほど、自分自身を十分に理解しなければならない」。とはいえ、採用のプロセスでは人物を見るか、あるいはスキルを重視するかを問わず、採用者は自分自身ではなく、志望者を見る。実はこれは適切とは言えない。マグレタの提言にあるように、人事(採用担当)マネジャーの自己認識が高いほど、新規採用者のパフォーマンスは向上するからである。
有能な人事マネジャーは、自分の長所と短所、そして最も得意とする仕事を心得ている。そして就職志望者や新規採用者に率直にそれを伝える。他社と戦略的提携関係を結ぼうとする企業と同じように、このようなマネジャーは、自分たちのチームの総合的な目的達成能力の増大に役立つ強みを持った「パートナー」を選ぶ。すなわち、多くの場合、マネジャーは、自分とは気質や考え方が大きく異なる志望者を採用することとなる。しかし、そうするときにも、自分とは正反対の人であっても協力して仕事ができるよう、基本原則づくりに配慮を忘れない。
一方で「似たもの好き」で、自分のコピーのようなタイプの志望者を採用するマネジャーは、自ら失敗の罠にはまるだけである。学歴、民族的・人種的バックグラウンド、社会経済的地位、業界の展望など、自分と同じような人物であれば確かに気楽だし、優先的に採用するといった傾向があることは、十分に実証されている。しかし、熟練した専門技能、広い視野、広範囲にわたる経験に加え、強力な洞察力と深い感受性、これらすべてを備えることが企業に求められるような経済環境においては、このような傾向は、致命的にもなりうるだろう。
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