人生を左右するような大きな選択で悩み、決断することで、人はどんどん成長していく。だから、考えること自体は決して悪いことではない。無理難題を押し付けられたり、予想外のことでパニックに陥ったとき、思考を整理するために「一度立ち止まる」、直感で「これだ」と思っても罠がないか「確認する」。これも重要なことだ。
生理学研究所教授・神経内科医 柿木隆介氏●神経内科医として大学病院に勤めたあと、脳の機能をより深く研究するために脳科学者となる。ロンドン大学医学部神経研究所などを経て、現職。著書に『どうでもいいことで悩まない技術』『記憶力の脳科学』など。
問題なのは、日常的な悩みのほとんどが「時間をかけて悩んでも仕方がないこと」だということだ。それなのにすべて平等に悩んでいると、せっかくの成長チャンスがただの「ストレス」になってしまう。悩みを先延ばしするのではなく、逃げるのでもなく、進んで解決のために動き出すこと。これが悩みを「いいストレス」として成長の糧に変える唯一の方法なのだ。
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(構成=大高志帆 撮影=加藤ゆき)

