1月に北海道最大の百貨店、丸井今井が経営破綻した。その経営再建支援企業に名乗りを上げているのは、高島屋と三越伊勢丹HD。高島屋は阪急阪神百貨店を傘下に従えるH2O リテイリングと11年までの経営統合で合意しており、そこに丸井今井を加えることで、失った「売り上げ業界トップ」の奪還を目指そうというわけだ。三越伊勢丹HDは、丸井今井が破綻する以前から出資関係にある。高島屋有利で推移しているようだが、結果はどうなるか。

百貨店の置かれている状況からすれば、さらなる再編劇、紆余曲折があっても不思議ではない。これまでも、2007年に大丸と松坂屋HD、阪急百貨店と阪神百貨店がそれぞれ経営統合。08年には伊勢丹と三越が三越伊勢丹HDを結成、持ち株会社にぶら下がる形だった阪急百貨店と阪神百貨店は合併し、阪急阪神百貨店として再出発している。

百貨店各社の収益力の低下が相次ぐ再編の背景にある。2月決算のJ.フロント リテイリング、今夏に合併し、そごう・西武になる予定のそごうと西武百貨店、それに高島屋の3グループは前期、どうにか営業利益は確保したものの、売上高に占めるその割合は2%台半ばだった。3月期決算の三越伊勢丹HDは1%程度、やや高めのH2O リテイリングにしても2%台後半といったところだろう。

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業界別再編戦国マップ

収益力の低下に加えて、市場そのものの縮小という深刻な問題も抱える。百貨店市場はピークの9兆円から2兆円減少、ついに昨年はコンビニに逆転を許し、現在の7兆円がさらに5兆円にまで縮小するという指摘もある。不況や少子化による消費減退という影響だけでなく、業態そのものが存亡の危機にある。

老舗や名店名品の発掘・育成力、外商を含めたサービス展開などで育ててきたブランド力は他業態にはないもの。半面、百貨店の場合は、売り上げ規模や店舗網の拡大だけが勝ち組の条件でないことは明らかで、各社の次の一手に注目したい。

(ライヴ・アート=図版作成)