「いつも一緒に仲良し」には弊害があった

働く女性が増える中、子供との時間をいかに確保するかに頭を悩ませる親は多いです。

子供との時間は、質か、量か。両者のメリット、デメリットは何でしょうか。どちらがより大切なのでしょうか。そして、それが子供の成長にどう影響していくのか、一緒に考えていきましょう。

▼「量」が過ぎると、悪さが目立つ

結論から言います。

食べ物と同じく、親子が一緒にいる時間の量は、「ほどほど」がいいです。長く一緒にいれば、相手のことがよくわかります。その点はメリットだと言えるのですが、この点には裏の面もあります。長く一緒にいればいるほどのデメリットというものが生じます。

それは、長く一緒にいる相手ほど「悪いところの方が目立って見える」という点です。例えば、現在のパートナー(妻、彼女など)について、ほどよい距離でお付き合いしていた頃と、同棲または結婚した後のことを思い出してください。

特に結婚後は、圧倒的に悪いところが見えるようになったのではないでしょうか。

それも「トイレの電気をきちんと消さない」「スリッパを揃えない」「靴下を裏返したまま脱ぐ」といったささいなことです。それを言うと、逆に相手は「細かくて口うるさい」などと逆切れしてケンカに発展してしまったかもしれません。

なぜ、こんなことが起きるか。理由は至極単純です。

一緒にいる時間が長くなると、いろいろな良さが「当たり前」になるからです。良いところは時間との経過とともに「当たり前」になるので目立ちません。我々が今日本という国で、飢えずに暮らしていることに感謝をしにくいのと同じです。

一方で悪いところは「自分の常識」から外れるので、ささいなことでも目立って気になります。結果、「靴下が裏返し」というような、本来そんなに目くじらを立てなくてもいいようなことでも気になり、トラブルが起きます。

親になってからもこうした現象はしばしば起きます。

つい度が過ぎるほどに我が子に対して口うるさくなってしまうのも、一緒にいる時間が長すぎるせいかもしれません。これが習慣として長じると、我が子の就職面接についていくほど、一緒にいないと落ち着かない親になるかもしれません。

少し離れて、親の方がまず「自立」しましょう。