エグゼクティブの行動力にも影響
どうしても長めの提案などを送るときは、全体の内容を1段落にまとめたものを冒頭に置く。「最初の1文で結論、次の3文で『なぜならば』を説明し、最後に結論をもう一度。これなら日本人英語でも通じます」(欧州金融系)。
こうしたメール習慣は、ビジネスのスピードやダイナミックさにも影響を及ぼしているはずと、Aさんは指摘する。
「海外の大手企業のエグゼクティブや、世界トップ50に入るような経営思想家にメールを出すと、高い確率で本人から、クイックに返事が来ます。日本企業のトップの返信率は、とても低いですね」。
いきなり全面導入は無理でも、外資系企業のメール術に学ぶことは多そうだ。
【外資系企業のメール習慣】
●宛名も発信者名もファーストネームのみ。社外宛てメールでも、普段やりとりしている相手なら互いの肩書も社名も書きません。(保険系)
●ボスに決裁してもらう提案は、1段落でまとめます。最初の1文で結論、次の3文で「なぜならば」を説明し、最後に結論をもう1度。これなら日本人英語でも通じます。(金融系)
●件名を工夫することは大事ですね。「重要:本日正午までに承認願います」など、要望を具体的に入れるのは基本です。(金融系)
●返事は遅くとも24時間以内に。出張中などで即答できない場合は、「○月○日に改めてご連絡します」と返しておきます。(金融系)
●アルファベット2~3文字の省略語を頻繁に使います。また長い単語は、最初と最後の文字の間の文字数を数字に置き換えることも。たとえば、GlobalizationならG11nで業界では通じます。(IT系)
●本文は2~3行まで。そのかわり、どんな偉い人からも高い確率で直接、かつクイックに返事が来ます。(保険系)
●当社の事業部長がアメリカの事業部長に送った支援要請のメールが、1時間ちょっとで先方の開発担当者にまで順次転送されていました。しかも、元のメールに誰も何も追記せず、見るなり即座にです。(IT系)
●社外宛てメールは普通に丁寧ですが、たとえば社内の上司に承認を求めたときは、“Approved”や“Done”など、本文が1語だけのこともよくあります。(金融系)