では、笑顔で最も大切なこととは何でしょうか。それは「アイコンタクト」です。相手の目を見るということは、相手の存在を認めているというメッセージであり、自分自身のアピールでもあります。
日本人はこのアイコンタクトが苦手な人が多く、1対1で話をすると、欧米人の半分程度しか相手の目を見ないと言われています。人からの目線を受け止めるのも得意ではありません。でもアイコンタクトは慣れの問題。数をこなしていけばすぐにできるようになります。0.5秒でいいので、相手と目が合ってから“タメ”をつくるようにしてください。
次に大事なことは口元です。口角をきゅっと上げてみましょう。このときにしっかり歯を見せると、はっきりとしたよい笑顔になります。上の歯が10本見えるのが理想です。
口角を上げると、眉や目じりが下がります。目も細くなって黒目が大きく見え、優しい表情になります。
笑顔が苦手な人はつくり笑顔から始めましょう。ぎこちなくとも、アイコンタクトをとって、口角を上げ、歯を見せる。つくり笑顔によって脳が反応して脳内モルヒネ(ドーパミン、βエンドルフィン)を分泌し、幸せな気分になることがわかっています。最初はつくり笑顔でも、徐々に本物の笑顔になっていくのです。
つくり笑顔と言っても、いわゆる営業スマイルとは違います。営業スマイルは、「笑顔でなくてはいけない」という義務感を伴った、マニュアル通りの笑顔です。大事なことは、どうやったら相手が笑顔になってくれるかを考えること。心が通わない笑顔は、本当の笑顔ではありません。