学生の心を落ち込ませ、ノックダウンさせる
学生が来場すると、ここでは無料の説明会と対面勧誘で、いかに就職に向けての勉強をしなければならないかという欲求(Desire)を起こさせる。まず本人のビジョンをはっきりさせる必要がある。
「どんな会社へ勤めたいのか」
「具体的にどんな仕事につきたいのか」
といった、将来の夢を語ってもらい、業者も「あなたには、そうした才能がある」と気持ちをアップさせる。しかし同時に、面接が突破できていない現実を提示して、「なぜその理想が実現できないのか」の原因を徹底的に追及する。
その時、理由を本人の内面、性格、振る舞いに向けるようにするのが常套手段だ。もし、優柔不断さといった性格の欠陥を見つければ、こう言う。
「あなたの受け答えは、はっきりしておらず、答えが曖昧なので、やる気が感じられない」
しっかりとした挨拶ができていなければ、それを指摘してこう話す。
「あなたには、社会人としてのマナー力やコミュニケーション力が欠けている」
そして、「今のまま、自分なりの活動をしていたら、就職はできない。実際にどこからも内定をもらってないよね」と、徹底的に相手の弱みをせめて、心の落ち込みを誘い、精神状態をノックダウンさせる。
途方に暮れる相手に、「けれど、この講座で勉強すれば、理想の形で就職ができる」と希望を見せて、再び気持ちをアップさせるのだ。
こうした心のアップ、ダウン、再アップというN字型の話を展開することで、なぜセミナーを受けなければならないのかの動機をはっきりさせられる。
相手に契約をさせる上で、もっとも重要なのは、動機を相手の心にメモライズ(記憶)させることだ。そうすれば、高額な有料の就活講座の契約をさせるという、最終アクション(Action)にも、たやすくつなげられる。