「文科省は、生活保護法6条に基づく教育扶助、学校教育法25条に基づく就学援助には、給食費分が上乗せされているので払えない家庭はないと考えているようですが、給食費分はほかに使われてしまいがち。給食費は分離させて学校などに直接支給するなり、相当分を食券で配布するなどの工夫が必要でしょう」(荘司弁護士)
給食にかかる費用に無駄が多いという指摘もある。文科省がまとめた平成17年度の学校給食調査によると、保護者が負担する給食費の平均は、小学校で1食あたり約230円。その他の費用は自治体の負担となり、すべてを含めると1食あたり約900円という試算も出ている。
コストを押し上げる要因になっているのが調理員の人件費だ。総務省が4月に発表した調査によると、現業公務員である学校給食員の給与は、民間の調理師に比べて約35%も高い。
「民間に委託して給食全体のコストを下げれば、保護者負担の食材費を公費でまかなうことも可能になるはず。そうなると未納問題そのものが発生しません。ただ、利権がからんでいるのか、自治体はそこに手をつけたがらない。今後は保護者の側も、公務員の税金ムダ使い問題を含め、給食関係の会計について積極的に情報公開を求めていくべきでしょう」(荘司弁護士)
(ライヴ・アート=図版作成)