▼[指導1]まずは型にはめよう


気になった数字を書き込むだけで知識が増えていく。

「毎日○○をする」などルールの多い手帳は煩雑に見えるかもしれませんが、手帳初心者こそある程度ルールが決まった手帳を使うべき。はじめからフリースタイルだと、選択肢が多すぎて持て余してしまうからです。ゴルフのスイングと同じで、「最初は型にはまってみる」のが上達への近道。たとえば私が作った手帳には「今日の気づき」「今日の数字」という欄がありますが、1つでもニュース記事を読めばどちらもすぐに埋められます。「面倒くさい」という最初の数日の拒否反応を超えれば誰でも続けられますよ。

▼[指導2]「手間なし」が一番


小宮さんの手帳には毎月の目標欄があり、1年分を見渡せる。

毎日目標を立てたり、TO DOリストの作成が義務になっていたりすると大変ですが、どんなに忙しい人でも毎月1度であれば数分間を手帳のために使うことはできるでしょう。「散歩のついでに富士山に登った人はいない」というのが私の好きな言葉。それと同じで、「なんとなく」日々を過ごしていて「いつの間にか」大きな目標を達成することはできません。自分がどうなりたいのか、どんな人生にしたいのか、確認する意味でも月に1度程度の振り返りと目標設定をする手帳を選んではいかがでしょうか。目標さえ明確なら、何者にもなることができます。

▼[指導3]書き込みで愛着を醸成


歴史的な出来事と身近な出来事をリンクさせる「過去年表」。

井上さんが手帳を書き続けられないのは、もしかしたら手帳に愛着がわく前に使うことを諦めているからかもしれません。忙しい時期に手帳を買い替えているなら時期を改め、年末など、ある程度まとまった時間が取れるタイミングにしてみましょう。そして、必要なことをすべて書き込んだ状態で使いはじめてはいかがでしょうか。たとえば私の手帳には、「その年に何があったか」を書き込む過去年表があります。結婚記念日や子どもの誕生日を書き込んでいくと、自然に愛着がわいてきます。自分の「気持ち」の部分も大切にしてください。

▼[まとめ]過去を見直し未来をつくるのが手帳の役目

「小宮一慶のビジネスマン手帳2016」/ディスカヴァー・トゥエンティワン

過去の記録とスケジュール管理、目標管理が手帳の大きな役割です。「コンセプト手帳」はそれにひと手間加えるだけで、学習習慣が身についたり、目標意識が高まったりする優れもの。「手帳も続けられない自分はダメだ」と落ち込まず、「手帳が合わなかった」くらいに考えましょう。そして、また別の手帳にトライしてください。合わなければすぐ買い替えればいいのです。井上さんが来年、一歩でも目標の方向に歩みを進められることをお祈りしています!