ただし、利用を検討する際には、「自宅を本当に手放してもいいのか」をもう一度考えたほうがいい。子どもが独立して夫婦には広すぎる、使い勝手が悪いなどの場合は売却して住み替えたり、高齢者向け住宅に入居したりするほうがいいケースもある。相続人となる子どもとよく話し合って合意を得ておくことも大切。いずれ自宅を相続したいという子どもがいれば、トラブルになるからだ。

また、夫に先立たれても妻が契約を継続できるのか、事前に確認が必要になる。前述のようにリバースモーゲージは、契約者が亡くなった時点で精算するのが基本。継続の条件を満たさなければ、妻が住まいを失うリスクがある。

金利上昇や担保価値の下落にも注意しておきたい。金利は変動タイプなので、今後、金利が上昇すると、利息負担が重くなる。一方で土地の値段が安くなると、担保価値が下がる。融資限度額は、担保価値を基準に設定され、定期的に担保価値の再評価が行われる。担保価値が下がれば、当初予定していた融資限度額も下がり、資金計画が狂う可能性がある。「充実人生」の場合、担保価値が下がり、融資限度額を上回った場合には、その分を1年以内に返済しなければならない。

リバースモーゲージは、老後資金にゆとりをもたらしてくれるが、気持ちが大きくなってつい浪費しがちになる。リタイアの時期が近づいたら、意識的に生活をダウンサイジングしておくことが重要だ。

※土地……路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格が定められている地域は「路線価方式」、そうでない場合は固定資産税評価額に地域ごとに定められた倍率を乗じて算出する「倍率方式」を採用。 建物……固定資産税評価額と同じ。