国民の民進党を見る目と自民党を見る目
蓮舫代表の下での期待感の再醸成と拡大は不透明だが、国民の側の民進党を見る目は、必ずしも絶望感と不信感だけではない。
安倍晋三首相が率いる自民党は衆参選挙4連勝を実現し、支持率も高水準を維持しているが、過去3年9ヵ月、国民の積極的な支持を得てきたとは思えない。連勝した4回の衆参選挙も記録的な低投票率が続いている(12年総選挙・約59%、13年参院選・約53%、14年総選挙・約53%、16年参院選・約55%)。
有権者の多くは「民主党政権の失敗」を目にして自民党回帰を選択したが、「次のカード」を見つけることができず、選挙では棄権するか、消去法で自民党に投票するという傾向が続いている。旧民主党が政権獲得に成功した09年総選挙の投票率は約69%という高率だった。次期総選挙での一発勝負は無理としても、以後、棄権に回っている10%以上の無投票層の支持を掘り起こすことができれば、政権再奪取も不可能ではない。
自民党の衆参選挙5連勝を阻止できなければ、おそらく期待感の再醸成は不可能となる。そのときは、政権交代可能な代議制民主主義は風前のともしびとなりそうだ。蓮舫民進党はその危機意識があるかどうかが問われている。
(ロイター/アフロ=写真)