次世代の照明器具としてLED(発光ダイオード)が脚光を浴びている。その特徴は、省エネ、長寿命、コンパクトさだ。ろうそく、白熱電球、そして蛍光灯に続く“第4の明かり”とも呼ばれており、近い将来、家庭用照明の主役になることはほぼ間違いない。しかし、そのためには発光効率を高めることとコストダウンの実現が不可欠だという。
LED照明の基礎技術になっているのが白色発光ダイオードだ。民間調査会社・富士キメラ総研の調べでは、この製品の国内市場は、2008年実績で25万台で、照明市場では占有率1.1%にすぎない。けれども、前年比に比べ5倍の伸びを示しており、13年では330万台、12.9%を占め、金額にして555億円の規模と推定している。
調査に当たった同社の家島英樹氏は「店舗や住宅で幅広く使われるには、まだ価格が高い。利用者のニーズがLED照明にシフトする条件は、競合する既存製品に対して価格および寿命がそれぞれ2倍になること。おそらく15年頃になるだろう。そのときには、照明市場の5割がLEDになっているはずだ」と話す。
この分野を牽引する大手メーカーのひとつパナソニック電工のショールームには、LEDのダウンライトやフットライトが展示されている。新しい明かりの空間を提案しているわけだが、当面はこうしたインテリア的な照明をデザイナーが設計に取り入れながら代替が進行しそうだ。消費者のエコへの関心の高まりもLED普及の追い風になっている。
(ライヴ・アート=図版作成)