タダで見られると思ったから、ヨットの試合も見に行った。海岸に行ったら、20ドルも取られてびっくりだ。しかも、海岸からはヨットが見えないから、大きなテレビ画面を通しての観戦である。雨が強くなってきたし、どうせテレビ画面を見ているだけなのだから、と日本チームまで見ないでさっさと帰ることにした。結局日本の女子チームは5位だったし、これは早めに帰って正解だった。

以上が、私がリオオリンピックで見たことのすべてだ。

ホテルはコパカバーナビーチから徒歩10分。でも、ファベーラ(貧民窟)のど真ん中で、ビーチへ行くにもファベーラを通る必要がある。言葉も通じないし、毎日Twitterなんかで「日本人が強盗に襲われた」という物騒なニュースが入るから、怖くてホテルから出られなかった。1週間滞在して外に出たのは観戦の2回だけだ。誰かが襲ってくるのではないかと思って、毎日ベッドで小さくなって、貴重品を抱き締めてスマホで映画を見ていた。

初日の夜、私が眠っていると、夜中の2時頃に外でドラムの音が鳴って、ギャーとかいう叫び声が聞こえてきた。窓を開けると、ファベーラの奴らが踊っているのが見える。すごい騒ぎだった。それが毎晩、朝の5時まで続く。長い日はお昼まで続いた。ホテルにうるさいと苦情を言っても、「諦めろ」と取り合ってくれない。もちろん警察なんか来ない。

私はもともと1日1食しか食べないから、食事はホテルの朝食で済ませようと思っていた。それなのに料理人がいないとかで、料理は茶色い麦のパンと卵。目玉焼きが食べたかったけど、英語が通じない。最後にはジェスチャーで自分の目玉を指差してみたけど、まったく通じなかった。

期待していたホテルのプールもすごかった。死体が浮いていてもおかしくないような汚い水に、プカプカ藻が浮いているのだ。それに、ナチュラル志向だとかいって、ホテルにはテレビもインターネットもなかった。貧乏だった幼いころを思い出してしまった。

来年は、千葉県知事選挙、都議会議員選挙と忙しくなる。ゆっくりできなくて残念だった。

(文中敬称略)

▼編集部おすすめの関連記事
リオ五輪、ニッポン躍進の3つのワケ
(藤井あきら=構成 奥谷 仁=撮影)