動力性能を大幅にアップした第2弾
そう打ち明ける高野氏の元には、初代トリシティに対するさまざまな要求が寄せられた。例えば、動力性能をもっと上げてほしいということ。特に2輪車に乗っている人からは加速力に対する要求が強かった。その他にも、ものを入れるスペースを大きくしてほしい、電源を取れるようにしてほしいなどがあり、「それらの不満を一つずつ解消していった」(高野氏)そうだ。
満を持して発売する第2弾のトリシティは、走りと燃費性能を両立する新エンジンを採用して加速力が圧倒的に良くなり、坂道での登坂力も大幅に向上。シート下の収納トランクは23.5リットルに拡大し、DC電源ソケットやパーキングブレーキも装備した。またフレームも剛性をアップした新設計のものにした。そして、初代との一番の違いは排気量が155ccになったことだ。これによって、125ccでは走ることのできなかった日本の高速道路を走れるようになった。
「3輪バイクというのは非常に可能性が高く、2輪車ではできないことができる。技術についてもいろいろなものを盛り込んでいけると考えている。これからもヤマハ3輪バイクの知名度を上げるために、さまざまな挑戦をしていきたい」と高野氏は力強く話す。
昨年の東京モーターショーでは、850ccの3輪バイクの試作車を披露。モデルラインナップを拡大し、市場獲得を目指す計画だという。
トリシティのキャッチフレーズは「めざせ、ころばないバイク」。この究極のゴールを目指し、ヤマハ発動機の3輪バイクでの挑戦はこれからも続く。