銀杏並木と桜並木が続く高級住宅街、世田谷区成城に、まるでホテルのような豪華有料老人ホーム「サクラビア成城」がある。桜と、古代ローマの「聖なる道」(ヴィア・サクラ)から命名されたというこの建物はまさに人生の凱旋にふさわしい終着点だ。

緑に包まれた3000坪の敷地に10階建てのサクラビア成城は60歳以上を対象とした介護付き有料老人ホームであり、富裕な高齢者にとっては一種のステータスになっている。

入居金は最低でも1人1億2800万円(夫婦では1億4400万円)、最上階の最も広い居室では夫婦で4億200万円。加えて毎月の月額料金が1人32万~33万円(夫婦では53万~54万円)かかる。

ため息がもれそうな値段だが、施設・サービスを見ると、合点もいく。

ロビーに入ってまず驚くのは、奥にあるレストラン。一般的な有料老人ホームでは食事のメニューはせいぜい和食・洋食の2種類が選べる程度だが、サクラビアでは洋食・和食・中華から、昼食で30種、夕食では40種のメニューを用意している。予約の必要もなく、週末になると家族がやってきて、入居者と食事を楽しんでいる。毎週木曜日の夜には人気寿司店「美登利」の板前が出張で寿司を握ってくれる。

サクラビアのもう一つの自慢が医療・介護体制の万全さだ。4階に「サクラビアクリニック」を併設しており、365日・24時間、医師と看護師が常駐し、東京女子医科大学と提携して各専門医が日替わりでやって来る。

入居者はちょっとした体調の異変でも気軽に受診できる。年1回、入居者の誕生月には人間ドックも実施する。各居室にはナースコールがついており、深夜でも居室に往診してくれる。

介護スタッフもサクラビアの社員で、追加費用なしで1日4時間まで介護サービスを受けられる。リハビリルームもあり、理学療法士2人が個別対応する。自立生活が難しくなるとケアルーム(17室)に移動するが、それによって居室の権利を失うことはない。