改革の母体となった「30%委員会」

<strong>「7時で終わりと決めてしまえば、終わるように段取りをする」</strong><br>自らも率先して残業ゼロを遂行している松井社長。しまむらやキヤノンの取り組みを参考にしたのだという。
「7時で終わりと決めてしまえば、終わるように段取りをする」
自らも率先して残業ゼロを遂行している松井社長。しまむらやキヤノンの取り組みを参考にしたのだという。

「要は段取り。最初から6時までに仕事を終えようと思えばできるのです。最初から、これは無理だ、残業するしかないなと思ってしまうと、夜の10時、11時までかかってしまう。だったら7時で終わりと全社的に決めてしまえば、7時に終わるように段取りをするのです」

良品計画の松井忠三社長はこう語る。同社は2006年11月より、本部勤務社員300人を対象に毎週金曜日の7時以降の残業を禁止。さらに12月には木曜日も追加し、今年1月から毎日の夜7時以降の残業を全面的に禁止した。

ただし、やみくもに残業を禁止すれば、業務が滞る可能性もある。松井社長はそうならないための布石を着々と打ってきた。1999年まで右肩上がりに伸びていた業績は01年以降急落。02年2月期には大幅減益に陥ったが、その後、経営体質を含めた構造改革に着手してきた。

その結果、06年8月中間期は2期連続で最高益を更新。売上高も7期ぶりの増収を達成するなど見事にV字回復を果たしたのだ。

改革の母体となったのが04年下期に設置した社長直轄のプロジェクトである「30%委員会」だ。売り上げに占める販管費率を30%に引き下げることを目的に、ホワイトカラーの生産性を高めるために店舗や本社部門の不必要な業務の廃止・縮小を含む効率化を推進した。