すごい半導体を開発したら他社に売ってほしくない

「まだやり始めたばかりですが、プロジェクトを通じて風通しがよくなった例が出てきています」――そう語る豊住隆寛氏は、東芝のi cube(アイキューブ)プロジェクト推進室副室長。昨年2月に動き始めた、西田厚聰社長直轄のイノベーション(経営改革)推進本部の下にある。

<strong>「両立しそうにない組織どうしの二律背反を「何とかする」」</strong><br>「成長に軸足を置いた業績の実現は、今も大きな悩みの1つ」と豊住氏(右)。岸本氏(左)は半導体部門出身。
「両立しそうにない組織どうしの二律背反を「何とかする」」
「成長に軸足を置いた業績の実現は、今も大きな悩みの1つ」と豊住氏(右)。岸本氏(左)は半導体部門出身。

 “i cube”とは、東芝が昨年2月から新たに開始した経営改革。一昨年6月に社長に就任した西田氏が、就任前から温めていたアイデアだという。名の由来はイノベーション(i)の三乗(cube)。開発、生産・調達、営業の3過程で様々なイノベーションを起こす。そしてそれらを時系列に並べるのではなく同時・横断的に推進し、問題解決に取り組むことで掛け算の効果を求める、というものだ。