1つは経験の掘り下げ、意味付けである。中途採用においては、業界・職種が未経験でも経験者とみなされることがある。ここでの着眼点は「4Pマッチング」である。4Pは言うまでもなく、マーケティングの基本概念、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)である。経験者採用においては、これが似ている業界・職種は親和性が高いと解釈され、マッチングしやすくなる。逆に、業界経験者においても、これが似ていないとマッチングしないことがある。

例えば食品業界の営業が、同業界・同職種で転職しようとしたとする。しかし、同じ食品業界でも業務用と量販店用ではまったく営業対象も違えば、求められるスキルも異なってくる。

そして、この4Pの要素が似ていて、前職で大きな成果をあげた人は、転職でも成功しやすく、転職後も活躍しやすいことを覚えておきたい。

学歴や職歴はたしかに転職活動に有利に働く部分もあるが、結局は本人次第である。転職の際にモノをいうのは、「この人は活躍してくれそうか?」「この人を採用すると得するか?」という観点である。日本の採用面接は、過去の事実の棚卸しに時間をかける。自分の体験を整理して伝えたい。

そのときにモノをいうのは、自分の代表作といえる、名刺がわりの仕事であり、プチ武勇伝である。プチ武勇伝とは、自分が成し遂げた仕事、およびそれにどう取り組んだかというエピソードである。

学歴、職歴で一喜一憂し、それにしがみつく痛い人、残念な人になってはいけない。自分のこれまでの歩みに誇りを持ち、強く進むこと。これこそ不透明な時代を生き抜くために必要な力ではないだろうか。