まだまだ続く「仕事人生」、その経験値を分厚くするために

これから管理職になる人、また現在管理職として苦労している人もいると思います。冒頭の渡辺氏のメッセージにあるように、たとえ今の会社を辞めるとしても、マネジメントを経験したということで、あなたの市場価値は上がります。連載第1回「『働き方年表』で今こそ未来を考える ─仕事、結婚、出産」(http://woman.president.jp/articles/-/370)で紹介した小紫式「働き方年表」を見れば分かる通り、30代後半で仕事復帰したとしても、そのあと30年も(!)、働く期間があるのです。

管理職になることは自分自身のためになります。仕事が楽しくなり、会社や社会にインパクトを与えられるチャンスが広がります。また、出産育児の時期と重なったとしても、管理職を経験しておけば、数年してから仕事に復帰する場合に、あなたの市場価値を押し上げてくれるのです。

デキる仕事が増える、仕事での成果がより大きくなる、さまざまな分野で世の中を動かしている魅力的な人たちと会える……、これら以外にも管理職という役割と仕事を通じ、見える世界が広がります。長い人生のうち、まだまだ続く社会人としての期間。生き生きと成長しながら働き続けていくためにぜひ、頑張ってほしいと思います。

小紫恵美子(こむらさき・えみこ)
中小企業診断士。
経営コンサルタント事務所Office COM代表。二児の母。東京大学経済学部卒業後、大手通信会社にて主に法人営業に従事。1998年中小企業診断士取得後、のちに退職。10年間の“ブランク”を経て、独立開業。
現在は企業研修講師や中小企業への経営支援、執筆活動を行う。企業研修では会計、ロジカルシンキング等ビジネススキルを伝えるとともに、女性経営者を中心に数値とロジックに基づいた経営の重要性を伝える自主セミナーを展開。
最近は、これまでの実績と、自身の大企業勤務→専業主婦→子育てしながら独立開業、という経験を踏まえ、女性の働き方についての執筆や講演に力を入れている。「活き活きと働くオトナが増える社会」を目指して日々活動中。