【3.仕事のやり方を変えるチャンスと捉える】

「管理職は長時間働かなくてはならないから、プライベート重視派の自分にはムリ」「子育てと両立できないかも」。そのような不安や妄想から、管理職を断念するケースが多くあります。

これは非常にもったいないことです。管理職といっても、まずはプレーヤーとして実務を行いつつ、少人数の部下のマネジメントを行うプレーイングマネージャー的な役割を求められるケースが多いのではないでしょうか。そういった場合は特に、プレーヤーとしてだけではなく、マネージャーとしての業務が発生することとなり、仕事量が増えることもあります。しかし一方で、これは部下にどのように仕事を任せていくか智恵をしぼると同時に、「今、チームで取り組んでいる仕事が、本当に全部必要か」を見直すきっかけにもなるはずです。

そのときは自分のチームで抱えている仕事を洗い出してみましょう。本当にすべてがあなたのチームでやらなくてはいけない仕事でしょうか? 無駄なものはありませんか? ほかのチームに頼めるものは? 後述しますが、「人に仕事がついて」いて効率が悪くなったり、チーム内で二度手間になっているような業務はありませんか?

まずは業務の整理、「不要なものを捨てること」から。これは女性に限らず、管理職になったら誰もがやるべきことです。そして、次にやるべきは整頓。整理したそれぞれの仕事を誰がやるかを決めることです。

コツは、「人に仕事をつけず、仕事に人をつけること」。これから先、産休・育休に限らず、介護などの理由で長時間働けなくなる人が増えていくと見込まれています。そんな状況で、担当者がいつも社内にいるとは限りません。だからといって、「担当者がいないから対応できません」では信頼を失いかねません。たとえば、顧客から納品問い合わせの電話が入ったときに、営業担当者が病欠だったとします。その人がでてこなければ分からない状況では、至急のオーダーに応えることができません。そんなとき、社内ネットなどで納品日や内容についてあらかじめ共有化されていれば、ほかの担当者が確認して、回答することができます。そのような仕組みを作ることも、管理職の仕事のうちです。