戦後あるいは高度成長期の日本、また、現在の中国や韓国において、企業は大きな戦略地図を描き、「坂の上の雲」を目指して投資をしてきた。本田技研工業とサムスンの挑戦を通して、現在の日本企業に欠けているものを説く。

「理詰めの経営」が立ちすくむ理由

チマチマした差別化、ばらまき技術投資、結果として世界的レベルの競争での大きな立ち遅れ。そしてそうした経営のあり方を、「当社の現状を考えると、これが当面のベスト」と、あたかも論理武装をさせている、えせ「理詰めの経営」。

中国や韓国の企業の乱暴にも見える大胆かつ戦略的な行動と比べると、そしてそれをやってしまう彼らのエネルギー水準の高さを見せつけられると、日本企業サポーターとしての伊丹もつい文句を言いたくなる。

理詰めの経営は、大きな戦略的地図を持った人が細部をもゆるがせにしないように気をつけるときには有効でも、戦略的地図も将来の見取り図も頭の中にない人が目先の論理を重箱の隅をつつくように詰めたところで、「立ちすくみ」に終わるのが関の山である。