「患者に説明しない医師」はダメ医者と思え

【井村】残念ながら、かかってみないとわからないのが病院の体質。というか、医師の対応。他院への紹介状をなかなか書かなかったり、セカンドオピニオンをよしとしないところもあります。

【角野】医師によって考え方も治療法もずいぶん違いますね。結局のところ自分の診察に自信がないからそういう態度をとるんだと思います。

【三谷】リスクとベネフィットを天秤にかけるとき、医師の経験値によっていくつかの選択肢があるんです。患者さんにもどんなメリットとデメリットがあるのかがわかるよう、きちんと説明したうえで行わないといけない……これが「インフォームド・コンセント」という考え方ですが、それが不十分な医師はまだまだ多いです。

【井村】一つの治療法の説明しかしない医師は結構いますね。それって、医師が患者さんに説明する段階で、すでに自分で選択しているんです。「理解できない人には説明しない」というバイアスがかかっているんだと思います。

【三谷】医師の力関係で治療法が大きく左右されることもありますね。若手の医師が提示した方法が、ベテランの権威ある医師の一言で覆されたり。それが最善策、次善策であればいいのですが、どう見てもそうではないケースも。

【角野】そんなのイジメじゃないですか。全然患者さんのことを考えてない!

【三谷】だから、患者さんも「この治療法で」と押し付ける医師に全面的に任せないことですよ。医師でも間違えることはありますし、患者さんがいろいろな治療法を調べることで「気づき」になることもありますから。

【角野】患者さんから「この方法はどうですか?」と聞かれたとき、いい医師は、いったんきちんと受け入れますよね。「調べてみますね」と言える医師は、いい医師でしょう。これができると患者さんとの信頼関係もうまくいく。結果的に医師が最初に提示した方法に落ち着いても、「全部検討した結果だ」と思えるから納得するんです。

【井村】人間対人間ですから、コミュニケーション能力は大きいですよ。いい医師にクレームが少ないのは、治療がうまくいくかどうか以前に、コミュニケーションをきちんととっているからなんです。だから、患者さんが「信頼しよう」と思ってくれる。結局、患者さんは医師を信頼したくていろいろな病院を探すんですから。

【安田】肩を持つわけではありませんが、日本の医師は忙しすぎるんですよ。夜勤明けでそのまま手術ということも日常茶飯事ですし、寝不足でむすっとしてしまうのもわかります。

▼これでわかる“ダメ医者”チェックリスト

看護師から聞いたダメ医者の10大特徴をご紹介。3つ以上当てはまったら、その医者は要注意!

□看護師に悪口を言われている
□「近藤誠」を口汚く罵る
□シャキシャキしていない
□話が異常に長い(または短い)
□患者に質問をしない
□外科なのに手が不器用である
□患者の私生活を考慮しない
□出身大学の偏差値がとても低い
□治療法の選択肢を提示しない
□手術実績を教えない