そこでやりたいことをやれるようにするには、一段上の視点、上司の視点で物事を見る必要があります。これは自分がその立場になったときのための準備にもなりますから、ぜひやっていただきたいことです。そして、その視点に立ったときに、あなたが一番取り組みたいことから、提案をしていくべきです。

上司はたびたび「どんどん提案しろ」と言うと思いますが、それは言い換えれば「一段上の視点で見てやるべきことを」「上司が受け入れやすいように提案しろ」ということ。そのように捉えておくと、自分のやりたいことも上司に通しやすくなると思います。

▼上司を動かす3つの「動機付け」

やりたい 能力のある上司には、「やることのメリット」を訴える。もしくは気持ちのうえで「やりたい」と思わせる。

やれる 「やりたくない」を取り除くと「やれる」になる。「やらない」ではなく「やれない」と考えて、対案を出す。

やらざるをえない やりすぎになりがち。あくまでも最後の手段。

⇒この3つを基準に「何を言うべきか」を考える

▼「状況が変わった」というフレームワーク

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あなた:「これまでのやり方は通用しません。いますぐ見直すべきです!」
上司:「そうだなあ……」
→自分の間違いを認めることになるため、あまりやりたくない


あなた:「当時とは状況が変わってきました。助けてください」
上司:「よし。じゃあ、やり方を変えよう」
→上司の間違いではなく、状況変化への対応になるため、やりやすい

⇒「正しすぎる主張」よりも「応じやすい相談」を心がける
立教大学特任准教授 高橋俊之
一橋大学法学部卒業、ミシガン大学経営大学院修士課程(MBA)修了。グロービス執行役員などを経て、2001年に独立。2005年より、「SCHOOL OF 未来図」を主宰。著書に『実践論理思考』などがある。
(辻本 力=構成 北村咲子=撮影)
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